広域連携観光情報誌『motto』埼玉×長野×上越

川遊びの安心は、大正時代の職人が支えていた! | 木のむらキャンプ場 取材こぼれ話

2023 夏 vol.61

埼玉県ときがわ町の山の中にある、木のむらキャンプ場。
敷地内の中央に穏やかな川が流れ、川遊びを楽しむ親子連れで賑わいます。

川の中洲には、アウトドア初心者でもテントを借りてキャンプを楽しめる「常設テント」も設置されています。初心者マークのようなカラーリングが可愛いですね。(下に写真あり)

都心から近いながら、自然を満喫できる最高のロケーションですが、川の増水の危険はないのでしょうか?
木のむらキャンプ場管理委員会 委員長の柴﨑さんにお話しを伺いました。

「ここの川は大雨が降っても、水が一気に増えることはありません。昨年大きな台風が直撃した時も、中洲まで水は上がりませんでした。その理由は、砂防堰堤(さぼうえんてい) が水の量を調整してくれているからなんです。」
※メイン画像で、水が流れ落ちている石の壁部分

「砂防堰堤は土砂災害を守るための施設で、このキャンプ場の3㎞ほど上の分水嶺から何段も段差を作り、川を流すことで、水の量を安定させて渓流被害を防ぐことが出来るんです。
ここは埼玉の砂防発祥の地でもあり、100年前に作られました。
当時は機械を使わず、職人の技で近隣の石を積み上げて作られたんですよ。名古屋城を作った匠が指導したので、よく見ると1つの石を6個の石で囲むお城と同じ組み方になっています。」

言われてみれば堰堤の上は平らになっていて、昇ってみるとお城の上の景色に近い印象を受けました。柴﨑さんが子どもの頃は、この地域に砂防堰堤に関わる石工さんや、道具を直すための鍛冶屋さんが多くいたそうです。

こうして歴史を知ると、より安心して川遊びを楽しめますね。
木のむらキャンプ場に訪れる際には、ぜひ堰堤を観察して、先人たちの工夫や技を感じてみてください!


木のむらキャンプ場
埼玉県比企郡ときがわ町大字大野1440
TEL/0493‐67‐0850
https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/26

営業時間/8:00~17:00(オープン4月1日~10月31日)
入村料/高校生以上 600円
中学生以下(3才以上) 400円
駐車料金/1,000円